農業と福祉。これら二つのキーワードは、一見すると遠い存在のように思えます。
しかし、よく考えてみれば、農業は私たちの生活の基盤であり、福祉は私たちの心
と体の安寧を保つための支えとなります。実は、この二つの分野は密接に関連して
いるのです。
自然との関わりを持つことは、私たちの精神的な健康に大いに寄与します。都市部
での生活が多くの人々にストレスをもたらしている中、農業は自然の中での作業を
通して、心の安定を与えてくれます。植物が芽を出し、成長し、収穫される過程は、
自然のリズムと共に生きる喜びを再認識させてくれるでしょう。
障がいを持っていても、できる部分で活躍する。ひだっこのアスパラ栽培には機械
を使用することはほとんどなく、難しい作業というのはほとんどありません。なの
で、初心者でも安心して作業を行えます。
また、農業活動は体を動かす機会を増やします。特に高齢者にとって、適度な運動
は健康の維持に不可欠。畑での作業や収穫活動は、リハビリテーションの一環とし
ても取り入れられていることから、福祉の現場でも農業の有用性が認識されています。
さらに、農業を通じて地域の人々との絆が深まります。共同での作業や直販など、
農業には人々を結びつける力があります。このようなコミュニティの形成は、特に
社会的に孤立している人々の心のサポートとなり得ます。
「美味しかった、ありがとう。」と言われるとやってよかったと感じます。
そして、何より、農業は達成感をもたらします。苗を育て、みんなで準備をし、
芽を収穫するという一連の流れは、生きることの喜びや誇りを感じさせてくれます。
農業に興味がなかった人や、障がいを理由に作業を制限していた人、また、コミュ
ニケーションが苦手だった人も少しずつ成長し、自ら考え、自ら接することができ
るようになったなど、変化を感じられると思います。
農業は毎年同じ作業になりますが、同じ作業だからこそできる人もいます。
高度な計算や知識がなかったとしても、できる作業があります。
まとめると、農業とは、食料を生産するだけでなく、心と体の福祉を支える多面的
な役割を持っているのです。この二つの分野の結びつきを深めることで、より豊か
な社会を築く手助けとなるでしょう。
Comments